今日は6月4日。空は青くて風が気持ちいい。
空を見上げていると、ふと「さすらう」という言葉が浮かんだ。
さすらう…
辞書を引くと「住処を定めず目的無しに、旅をして歩く。流浪」と書いてある。
住処、決めないんだよ。
でもって旅して歩くんだよ。
何か…いい。
「さすらう」っていう言葉、好き。
思うに、私は子供の頃から放浪癖があった。
初めてひとりで旅?に出たのは5歳の時。
これは今でもよく覚えている。
朝ご飯を食べたあと、一人で外に出て空を見上げた。
その日の朝は、今日のように爽やかな青空が広がっていた。
やさしい風が髪を揺らした時、
「あ~、どこかへ行こう」と思った。そしてそのまま家の前の道をズンズン歩いた。
なんのあてもなく、ただ歩いた。
この道はどこまで続くのだろう…終わりはあるのかな…終わりはどこ?
なんてことを思っていた? 5歳の私?
いえ、そんな気持ちまではあったかどうかわからないけど、
ただただ歩いていたのだけははっきりと覚えている。
昭和の頃、まさに映画の「ALWAYS三丁目の夕日」そのまんまの町並み。
気がついたら、陽が西に傾きかけていた。
そして私はパトカーに乗っていた。
それからも、時々、私はさすらっていたっけ。
親切な大人が車で送ってくれたこともあったし、見知らぬ人の家でご飯を食べたこともあった。
町がやさしかった時代。
今日の空と風は、そんな遠い昔のことを思い出させてくれた。
今はワンコの介護があるのでどこにも行けないのだけれど、
落ち着いたら、ワンコがいなくなったら、きっとすごーく寂しくて、
どこかちょっとホッとすると思うので、そしたらまた旅に出よう。
目的のない旅に。
こんな音楽と共にこんな景色を見に行こう。
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