われも生き、人も生かす

「われも生き、人も生かす」

この言葉はよく聞くし、それが出来たら苦労はしないとも思う。

けれど、これを実行するのはとんでもなく難しい。

人は人、自分は自分。

誰に対しても、その人の個性をそのまま認める。

人が変わることを期待したり、人を否認したりはしない。

「この人、ほんとにひどい性格だな」と思っても、

「まあこんな人もいるよね」と思えばいい。

相手は相手で自分に対して、同じようにひどいヤツだと思っているかもしれないし。

哲学者や宗教家や偉人さんや有識者や成功者や、まあとにかく

色んな人が、「ごもっとも」と思われることをおっしゃっている。

ほんとうにその通り。おっしゃる通り。

ただ、ほとんどの人が、わかってはいるけど出来ない。

人間の心というものは、何百年も前から変わらないんだろうね。

IT技術が向上するように、人間の心も向上していけばいいのだけれど、

技術は受け継がれて向上していくのだけれど、心はその人の一生分で終わる。

生まれた時がスタートで死んだら終わり。

次に生まれたらまた1からになる。

しかも人生の何たるかがわかるようになった頃に人生は終わる。

この世界から戦争がなくならないということを考えると、

「われも生き、人も生かす」は無理な話なんだろうね。